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経営者メッセージ

  • 会長挨拶

経営者メッセージ 株式会社サイゼリヤ代表取締役会長 正垣泰彦からのご挨拶です。

豊かで愉しいサイゼリヤの食事を・・外食業・農業の”産業化”と共に・・

(株)サイゼリヤは「日々の価値ある食事の提案と挑戦」を経営理念に掲げ、イタリア式の健康的で豊かな食事を、多くの皆さまに毎日の暮らしの中で、リーズナブルに愉しんでいただけるよう、全力を注いでまいりました。2010年3月には念願の九州へ初出店を果たし、年間来客数(2010年度)が初めて日本の人口を超えることができ、ロマンの実現に向けてまた一歩進むことができました。

イタリア式の豊かで愉しい食事を 日本へ

始まりは1967年千葉県市川市のわずか36席の洋食屋でした。意気揚々と始めたもののお客様が全く入らず苦戦する日々が続きました。起死回生のために「これから伸びる料理」を探しに欧州へ赴き、そこでその後を決定づける出会いがありました。旅の最後にふらりと入ったローマのイタリア料理店でのことです。小奇麗に身なりを整えた地元の方々が思い思いにゆったりと食事を愉しんでいました。ワインを片手に談笑しながら、食事の順番に合わせてその時に適した料理を選んでいく。食前酒~食後酒に至るまで料理も飲み物もすべて用途によって選び抜かれ、体に心地よく沁み込んでいく。数千年来の人智を集結したイタリア食文化の豊かさに感銘を受け、「この豊かな食事を日本の多くの人たちにも愉しんでもらいたい」という大きなロマンを心に抱きました。以来40数年間サイゼリヤはロマンの実現に向けて不可能への挑戦を続けてきました。

リーズナブルな価格でチェーン化へ

イタリア料理専門店として新たにオープンした店は、高級店の半額以下であっても敷居が高く、お客様になかなか来ていただけませんでした。もっと多くのお客様に喜んでいただくには?と考えた末、メニュー価格を“7割引き”にしてみたところ、連日大行列ができるようになりました。そこで、お客様の待ち時間を減らすために2店舗目、3店舗目と店舗数を増やし、チェーン化が始まりました。店舗数を増すにつれよりよい食材の入手が可能になり、さらにナショナルチェーンの規模を持つことで自社で責任を持って食材の加工を行えるようになりました。イタリア料理の要である「素材の良さ」は自分たちが産地まで遡って直接製品開発を行い、サイゼリヤ農場を初めとした契約農家と協力してサイゼリヤ仕様の野菜を開発しながら実現していきました。数店の時に掲げた「60年構想」で描いたとおり、川上(産地)から川下(店舗)まで一貫して品質管理を行う製造直販システムを作り上げることによって、品質とリーズナブルな価格の両立を進めてきました。同時に上場一部企業として、生産性が低いとされる外食業において、他産業並みの生産性を生みだし、従業員が幸せになれる企業を目指し従来の「外食業」の常識にとらわれないムダのない仕組み作りに励んできました。

外食業・農業の真の“産業化“を目指して

製造業が日本経済を支えるようになって数十年、様々な技術が開発され改良され、継承されてきています。一方外食業や農業では、残念ながら「精神論」や「技能」に重点が置かれたまま生産性の向上が不十分で、そこに従事する人々の人生設計が十分に描ける状態とは言えません。私たちはその現実を受け止め、外食業・農業が本当の意味で産業化するために挑戦していきます。個々人に依存していた「技能」を誰もが学べて継承できる「技術」へ。あらゆる分野の技術を外食業と農業へ。外食業・農業が産業の仕組みを自ら変革し、他産業並みの生産性を出せるようにしたい。いち早く製造直販業を築いてきた企業として、真の産業化を推進していきます。