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サイゼリヤの哲学

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サイゼリヤの哲学 サイゼリヤが考える「価格」とは?

強いポリシーを持って設定する「価格」の考え方についてご紹介。

サイゼリヤは強いポリシーを持って「価格」を設定しています。その考え方を紹介します。

お客様が「びっくりするぐらい」、喜んでもらえる価格に

レストランサイゼリヤが今の価格になったのには創業者正垣泰彦のある思いがありました。1973年、サイゼリヤは洋食屋からイタリア料理店に転身し、イタリア料理の普及に努めていました。味には自信があったものの、当時珍しかったイタリア料理の敷居は高く、お客様がなかなか集まらない日々が続きました。どうしたらお客様にもっともっと来ていただけるのだろう? 創業者である正垣はヴェネチア商人の取引を観察してある仮説を立てました。売り側と買う側が価格交渉をすると両者の提示価格の中間で落ち着く。究極の取引は「無料」と「有料」。その中間は提示価格の半分=5割引。5割引けば人間は直感的に「安い」とわかる。それでも「安い」とわかるだけで安くて驚くほどではない。いっそのこと元の価格の3割にすれば、安くて驚いて、「食べないと損」と思ってくれるのではないか。お客様をびっくりするぐらい喜ばせるために7割引きで売ってみよう・・・。そう決心した正垣は、ある日今までの商品内容そのままに価格だけを従来の3割にしました。すると翌日から店の前に長蛇の列が並ぶようになったのです。正垣の仮説どおり、お客様は品質に対して「どうしてこんなに安いの?」と驚き、一度食べた人が友人を連れてくる。そんな風にしてお客様が一気に増えていきました。サイゼリヤのリーズナブルな価格設定は「お客様に喜んでもらいたい」その一心から始まったのです。お客様に喜んでいただくために」という精神は今でも「基本理念(人のために)」の中でサイゼリヤに強く根付き、リーズブルな価格での提供はサイゼリヤの誇りとなっています。

多くのお客様が「注文したくなる価格」を目指す

1980年から約30年間物価の変動や消費税の導入などを経てもサイゼリヤのメイン価格帯は変わっていません。むしろ一部の人気商品、ミラノ風ドリアやワイン、パスタといった商品は値下げをしてきました。480円で大人気だったミラノ風ドリアを1999年11月にもっと多くの人に食べてもらおうと290円へ。爆発的な人気を呼びサイゼリヤの代名詞になりました。グラスワインが600円以上が相場だった2000年当時、イタリアでサイゼリヤ専用にハウスワインを作るようになり、これを多くの人に気軽に愉しんででもらいたいと、グラスワイン1杯100円で販売開始。ワインへのハードルを低くし、ワイン愛飲者の裾野を広げる一翼を担いました。サイゼリヤでは人気商品をどうやったらお客様がさらに注文しやすい価格にできるか?常に検討を続けています。

リーズナブルな価格でコーディネーションを

サイゼリヤのグランドメニューには、「定食」のようなセットメニューがありません。それは、イタリアの食文化である「コーディネーション」を愉しんでもらいたいからです。予め決められた食事内容でなく、思い思いに食事のシーンや体調によって料理を選び、おいしさを倍増させていただきたいという考えのもと、一品一品の価格がリーズナブルに設定されています。特にスープ・ワイン・ドリンクバーやおつまみメニューはメインメニューと組合せがしやすいように価格設定されています。いろいろな組み合わせを試して、イタリア料理式の豊かさをお愉しみください。

もっと詳しく知りたい方に・・・

『サイゼリヤ革命』
山口芳生
柴田書店

サイゼリヤ革命